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褒めることは「諸刃の剣」の意味

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以前、「子どもを褒めること②」

soumeijuku.hatenablog.com

の中で、

褒めることは「諸刃の剣」と言われるとチラッと書きました。

一般にはいろんな意味で語られているかもしれませんが、

ここでは私が「諸刃」だなあと感じることを書いておきます。

 

これまで見てきた生徒は実数で1,000人を超えています。

子どもは多様なので、

伸び方のパターンはそれぞれです。

 

それぞれなのですが、

伸びやすい子、伸びにくい子の傾向はあります。

 

言われたことをきちんとやる、

素直で真面目な「良い子」は、

基本的に伸びやすいのですが、

 そういうこの中にも、

スクスク伸びていくタイプの子と、

あるところで伸び悩むタイプの子がいます。

 

伸びていくタイプの子には明るさがあります。

例えば、テストの点数が良くなく失敗だった時、

悔しがりはしても落ち込まなかったり、

たとえ落ち込んだとしてもすぐに立ち直って、

次頑張ろうと思えます。

どうすれば次は上手くいくのかを考えたり、

私に相談したりして、

次はこうやってみようと次に向かえます。

 

伸び悩むタイプの子は、

テストの点数に一喜一憂しやすく、

客観的にはそれほど悪くはなくても、

できていないところばかりに目が行って、

ひどく落ち込んだりします。

自分を責めてしまいます。

そして、必死に頑張りながらも、

次も失敗するかもしれない、

という不安感がつきまといます。

 

この違いは、ひとことで言えば、

「自己肯定感」の差です。

自分を大切に思えているかどうか、

それはすなわち、

周りの大人から大切に扱ってもらっているかどうか、

です。

 

言われたことはきちんとできるのに伸び悩むタイプの子は、

「良い子」を演じている状態です。

「良い子でなければ見放されるのではないか」

という無意識の恐怖をもっています。

 

このタイプの子の親御さんは、

たいてい非常に教育熱心であったり、

心配性であったりします。

そして、「褒めて育てる」を実践されている場合も多いです。 

褒めることをちゃんとしているのですが、

そのタイミングや内容が

子どもが親の期待に応えたときだけ、

になっていたりします。

自分の願望が強すぎて、

子ども自身をちゃんと見られていない。

子どもにちゃんと焦点がいっていない。

 

自分の期待に応えられないときは、

怒るか、もしくは落胆します。

 

子どもが親の期待に応えられているときはいいでしょう。

しかし、いつもいつも応えられるわけではありません。

失敗もあります。

親の期待に応えられず、

親が落胆した表情を見たとき、

子どもはどんなに傷つくでしょうか。

親の落胆した表情は、

子どもにとって強烈なんです。

 

「やっぱり自分はダメな子なんだ」

と思わざるをえません。

期待に応えなければという切迫感で

常にストレス状態に置かれます。

それでは頑張り続けることは難しいです。

 

「褒める」が、子どもの自己肯定感を育てるのではなくて、

親の思い通りにさせるための手段になっているということです。

 

子どものことを心配するのは親の愛情からですし、

子どもに期待をかけること自体は当たり前だと思いますが、

焦点がずれるために、

たまにこじらせちゃうことがあります。

 かえって「自己肯定感」を下げてしまいます。

 

子どもの「自己肯定感」を育むのは

私たち大人の役目です。

 

勉強においても、たださせるのではなく、

失敗も乗り越えて頑張れる子を育てるのが

役目ではないでしょうか。

 

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