Soumeijuku’s Blog

SOUMEI塾の風景

成績アップの要は子どもが「その気」になること


子どもの成績が上がる・上がらないは、

やり方が合っている・間違っているということとは必ずしも一致しません。

かといって、

それぞれの子どもが元々持っている能力の差などではありません。

たまたま今その子が、上がりやすい状態・上がりにくい状態になっているということです。

そして、そこには必ず理由があります。

 

成績自体は、勉強をすれば上がるし、しなければ上がらない、

というかなりシンプルなものです。

 

成績が上がる子は自分から勉強をしようとする子であるし、

成績が上がらない子はなかなか勉強をしない子です。

当たり前ですが。

 

だから、普通は、子どもにもっと勉強させなければならない。

もっと勉強をさせよう、ということになります。

しかし、残念ながら、こういう働きかけでは成績は上がりません。

仮に上がったとしても長続きはしません。

 

「勉強をさせる」という働きかけはいろいろありますが、

よくやってしまうのは、

しなさいと言う。

しないと怒る。

課題を与える。宿題を出す。

テストの点数が悪かったら怒る。

スマホやゲームを取り上げる。

あるいはせいぜい、

目標を持ちなさいと言う。

勉強しないとどうなるのかを話す、など。

 

こののような働きかけがうまくいかないことは

みなさん経験上知っていることと思います。

それなのに、それを続けていることがほとんどかもしれません。

 

うまくいかないのには理由があります。

このような働きかけが子どものやる気をそぐことはあっても、

やる気を高めることは決してないからです。

 

このような働きかけをするたびに、

勉強に対するイメージは「しなければならないもの」になっていきます。

「しなければいけないもの」なので、

それをしない・できない子どもにとっては、

非常にきついプレッシャーとなります。

しなければならないもの、つまり、やって当然のもののだから、

それをしない自分のことを「ダメな子」認定せざるをえません。

いわゆる自己肯定感はなくなっていきます。

そして、恐ろしいことに、

ちゃんと「ダメな子」になってくれます。

 

こういうプレッシャーをかけられている子は、

外から見ていていてもよくわかります。

勉強に対する「やらされ感」が表情や態度に表れているので。

 

「やらされ感」が強い子は、その子が勝手にそれを感じているわけはなく、

必ず誰かがそのプレッシャーを与えているはずです。

 

とはいえ、勉強はした方がいいでしょ?勉強はしなきゃダメでしょ?

だったらやらせるしかないでしょ、と言われるかもしれません。

 

かつて、私もそう思っていました。

以前勤めていた塾では、自宅でも勉強をしなかったら、

めちゃくちゃ叱って、強制的にやらせるという方法をとっていました。

もちろん褒めることもしながらです。

すると、子どもたちは、叱られるのが嫌なので勉強をすることはあります。

しかし、その方法で、勉強をしなかった子が、

自ら進んでするようになることはありません。

 

これは、考えてみたら当然のことです。

勉強に限らずですが、人は何かを「やらなきゃ」と思えば思うほど、

やる気はなくなっていきます。

その経験はだれしもあると思います。

 

なかなかやる気がしないことを、頑張って「やらなきゃ」と思う。

「やらなきゃ」と思えば思うほど気が重くなって、ますますやる気が下がる。

さらに、「やらなきゃ」と思っているところに、

だれかから「やりなさい」「やらなきゃダメでしょ」などと言われて、

ますますやる気がなくなる。

 

だれしも、「やらなきゃ」と思ったらやる気が出た、とか、

「やりなさい」と言われたらやる気が出てきた、

という経験は生まれてから一度もなかったのではないでしょうか。

 

「やらなかきゃ」と思っているのにやる気が出ない、

という言い方をしますが、実は、

「やらなきゃ」と思っているからやる気が出ないのです。

 

プレッシャーがかかっている子どもは、

勉強はやらなきゃと思っています。でもやる気が出ない。

周りからプレッシャーをかけられる。

またやる気が下がる。

またプレッシャーをかけられる。

またやる気が下がる・・・。

そんな状態の子が、勉強が手につくはずありません。

当然、成績は上がりようがありません。

 

だから、

私たち大人の役割は、子どもにプレッシャーをかけることではないのです。

そのような働きかけは、

子どもの「成績を上げる」という、直近の目的に限っても、

その目的にかなっていないのです。

 

それでは、子どもが進んで勉強をするのはどんなときでしょうか?

 

それは、

いい点を取る自分、

〇〇高校に合格する自分、

親に認められる自分、

人から褒られる自分、

人に自慢している自分、

頭がいい自分、

すごいと言われる自分、

 

など、なんでもいいのですが、

子どもが何かそんな自分になろうと、

「その気」になっているときです。

その気になって、勉強せずにはいられなくなった、

ということです。

 

それは、「やる気を出した」のではないし、

「やる気を高めた」わけでもありません。

 

「やる気を出さなきゃ勉強できない」と思っている人が多いですが、

それは大きな勘違いです。

勉強をする子は、その気になって、

勉強をするという行動をせずにはいられなくなったというだけです。

 

子ども本人がその気になっていないのに、

外から無理やりやらせようということを大人はしがちです。

相手が子どもなので、

叱って脅してやらせることをついしてしまうのですが、

その方法で目的を達せられないことは、はじめから決まっています。

 

その気になっている子どもは、自分から勉強をし出します。

結果的に成績は上がっていきます。

その過程で、自然と勉強法を自分で工夫したしたりもするでしょう。

周りにアドバイスを求めることもあるでしょう。

そうやって、勉強のし方は自然に身についていきます。

子どもには自分に合った勉強法を見つけていく能力があります。

何も1からすべて、手取り足取り教える必要はありません。

勉強法はそんなに特別なものではないのだから。

 

子どもが

「勉強ができるようになろう」

「頭がよくなろう」

など、「その気」になっていくようなサポートを

するのが私たち大人の役目です。

 

子どもは、自分のこと信じてくれて、

全力で応援してくれる大人がいると感じられたら、

必ず「その気」になっていきます。

それが私たち大人の役目だと思っています。

 

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