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子どものテストの目標設定

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先日、夢を持つことについて書きました。

夢と同様、目標を持つことは大切と言われます。

夢と目標の概念には共通部分があるので当然かもしれませんが、

目標を持つことにも、夢を持つことと似た誤解があると思っています。

例えば、中学校で、定期テストが終わると、

生徒に反省点と次のテストの目標点を書かせる学校の先生がいます。

 

塾でも、生徒に次のテストの目標設定をさせる塾があります。

しかし、成績を上げることにおいて、

目標設定がうまく機能しているのをほとんど見たことがありません。

 

その原因の一つは、マネジメントの難しさです。

目標の点数を設定したとして、

その点数を取るために、いつ、何を、

どんな方法ですべきなのか、

どんな計画を立てるべきなのかを

考えられる生徒はほとんどいません。

いても数%でしょう。

 だから大人がお膳立てすることになります。

 

さらに、前回の結果を分析して、

問題点を洗い出し、

改善策を立てて実施する、

ひと昔前によく言われた「PDCAを回す」ようなことは、

子どもには難しいでしょう。

大人だってまともにできないのだから。

 

そして、それより大きな問題は、

そもそも、設定した目標が、

達成したいからではなく、

無理やり設定した目標であることが多いことです。

 

目標を達成できるかどうかは、

その目標が、本当に達成したい目標かどうかによって決まります。

方法論は二の次です。

 

達成したい目標は、夢と同様、湧き上がってくるものであって、

無理やり見つけるものではありません。

 

「目標を持つことは大切だ。だから、お前も目標を持て。」

と言われて、目標設定をしたところで、

熱意は湧かないでしょう。

 

例えば、テストの点数が悔しい!と思うものだったら、

次は〇〇点取ってやる、と思うかもしれません。

あいつには勝ちたい、と思うかもしれません。

そのような何かきっかけがあって、

取りたい点数は出てくるものです。

それがあるなら目標設定をするとよいでしょう。

 

目標を設定したからといって、

その点数を取りたくなることはありません。

 

勉強は、知的好奇心を満たしてくれるものだし、

できれば楽しいものです。

楽しくなれば成績は上がるので、

目標設定は必要ないとも言えます。

 

もちろん、目標をスモールステップで設定して、

褒めたり、ステップアップを確かめる材料として

使うことはできますが、

目標設定のメリットはせいぜいそのくらいです。

 

結局、子どもたちに目標設定をさせる意味は

大してないのです。


それよりも、

知らなかったことを知ったり、

わからなかったことがわかったり、

できないことができたりして、

そのうれしさ、楽しさを味わって、

 

そして、

どんな自分になりたいのか、

何をしたいのか、

その湧き上がってくる思いを

とらえられるようにするのが

絶対に先なのです。

 

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