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SOUMEI塾の風景

子どもが夢を持つために

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夢を持つことは大切、と言われます。

子どもに「夢を持て!」

という大人がたくさんいます。

 

確かに、夢を持つことができれば、

そこに向かって努力ができて、

辛いことも耐えて乗り越えていくことができます。

そんな情熱や力を手にすることができるでしょう。

そして、生き甲斐のある幸せな人生を

送ることができるでしょう。

 

私自身、自分の塾を持つという夢を叶え、

今も充実した日々を過ごしています。

 

しかし、だからといって、

今夢を持っていない子に対して、

「夢を持つことは大切だから持ちなさい」

と言うのは、

私は違うと思います。

 

夢は持とうして持つものでしょうか?

あるいは、

夢は持とうとしたら持てるものなのですか?

 

夢を持っている、というのは、

そこに心を奪われて、

どうしてもそこに行きたくなる、

どうしてもその自分になりたくなる、

という状態のことです。

 

何かのきっかけで、

そこに心を奪われてしまったのです。

気づいたら、そうなっていたのであって、

自分が心奪われるものを探そうとして

見つかったのではありません。

”見つけよう”として見つけたのではないはずです。

 

夢を持つことの大切さの例として、

イチロー選手や本田圭佑選手の卒業文集がよく紹介されています。

イチロー選手は、小学生のころから

プロ野球選手として活躍する夢を持っていました。

だからこそあの偉業を成し遂げることができたというのは事実でしょう。

夢を持ったから、偉業を成し遂げられたのです。

 

だからと言って、

イチロー選手は、偉業を成し遂げるために

夢を持ったわけではありません。

 

イチロー選手は小さいころ

プロ野球選手として活躍する自分にあこがれた。

そんな自分になることを夢見た。

だから、日々の努力を積み重ね、

あの偉業を成し遂げることができました。

 

イチロー選手を見習って、

日々の努力の積み重ねを大事にしよう、

と言うことはできます。

 

しかし、夢を持つというのは、

「行動」ではないので、

見習って見習えるものではありません。

夢は何かのきっかけで

無意識に心の中に湧き上がってくるもので、

気づいたらそのことが頭から離れない、

いつもそのことを考えてしまうもの。

それが自分の夢なのだと

後から気づくしかありません。

 

無理やり見つけるものではありませんし、

見つけられるものではありません。

 

加えて、

「夢を持ちなさい」という言葉は、

夢を持っているのが良くて、

夢がないのは良くないというメッセージを与えます。

 

すると、将来の夢がない子は、

自分はダメなのだとさえ思ってしまいます。

実際、塾生でもそういうことを言う子は

少なくありません。

 

大人が子どもたちに対してすべき、

あるいは、できることは、

「夢を持て」と言うことではありません。

 

そんな無理なことを

無責任に言うのではなく、

大人がすべきことは、

子どもが夢を持ちやすいような状態に育てることです。

いろんなことに挑戦してみたいという気持ちを育て、

自分にはきっとできるという自信を育み、

夢が湧き上がってきた時に、

周りの人たちは応援してくれるのだという

他者への信頼感を育てることです。

 

そして、以前「可能性をつぶさない」で

紹介した植松さんもおっしゃるように、

 

大人は、くれぐれも「どうせ無理」なんていう、

卑劣な言葉を口にしないようにしなければなりません。

 

また、大人自身が夢を追い求めて、

人生を楽しんでいる姿を見せることも、

子どもたちが夢を持ちやすくなる要因でしょう。

 

私たち大人自身が、なりたい自分になって、輝きたいです。

 

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