子どもの勉強嫌いは、
小学校の低学年のうちはまだ少ないですが、
高学年になるころには、かなりな割合で発生しているように感じます。
小さい頃は新しいことを覚えることが楽しいし、
できないことができるようになったら嬉しいし、
「なんで?」「どうして?」と疑問を持ったら、
その理由・原因を知って、
周りの世界を理解することが大好きです。
勉強の本質はそれなので、
もともとは、勉強=楽しいもの・嬉しいもの、
というプラスのイメージのはずです。
しかし、勉強が嫌いということは、
勉強に対するイメージが、
いつのころからか、面倒、苦手、苦痛なもの、
というマイナスのイメージに置き換わったということです。
なぜそうなるのでしょう?
やはりそれは、
第一に、周りからの負の刺激でしょう。
『苦手意識は思い込み』でも書きましたが、
特に、できなかったとき、間違えたときの負の刺激が大きいでしょう。
もっと幼いころなら、
勉強で正解したときに、
近くの大人が一緒に喜んだり、
褒めてくれたりしてくれていたのが、
だんだん、できて当たり前、
正解して当たり前になって、
大人のリアクションが薄くなる。
逆に、間違うと、目の前の大人ががっかりするし、
怒られたり、
ダメだしされたり、
笑われたり…。
人間の脳は、
プラスの刺激よりもマイナスの刺激の方が何倍も
印象に残りやすくできています。
なおさら、勉強とマイナスのイメージが結びつかざるを得ません。
学校の勉強や受験では、今のところ、
決まった正解を求める問題がほとんどです。
今度の大学入試改革で多少シフトはあるようですが、
試験の中で、正解が決まっている問題が
大半を占めるのは変わらないだろうと思います。
小さいうちから、家庭でも学校でも、
常に正解を求められる。
不正解だと、マイナスの刺激がある。
すると、「間違ってはいけない」という思いも強くなります。
「間違ってはいけない」のに間違ってしまったら、
自分の評価を下げざるを得ません。
さらに、近くの大人は、負の刺激を与えて、
それに追い打ちをかけてしまいがちです。
そんなことを毎日繰り返されてきているうちに、
勉強=楽しいもの・嬉しいもの
だったということは忘れ去られていきます。
しかし、子どもがどんなに勉強嫌いになったとしても、
できなかったことができたりしたら、嬉しそうな顔をします。
そして、それを褒められたら嬉しいのです。
一緒に喜んでもらったら嬉しいのです。
勉強に対するイメージは、
元に戻る余地があるのです。